いえ・・・あの、そんなに大した事じゃないのです。ただ、自分的にはけっこう不思議と言いますか愉快な出来事だったわけです。
仕事の帰り道の事です。もうほとんど家はすぐそこでした。時間は午前1時前後だったと思います。住宅地であるのと、この時間のせいで辺りはすごく静かでした。
私は細い路地を抜けて、突き当たりのちょっと広めの道路に出ようとしていたんです。
するとですね、そのちょっと広めの通りを青く透き通った高さ1mくらいの何かがスーっと右から左へ割とゆっくり横切って行ったのです。
「おお?なんだ・・・今のは?・・・ちょっと・・・宇宙人?」
いや、ですから、ほんとにちょっと宇宙人っぽかったわけですよ、まさかとは思いましたけど。
「とにかく正体を確かめねば!」
と思った私は、その通りまで猛然とダッシュしました。で、通りに出た私は左の方に目をこらしました。
いましたね。青く透き通った高さ1mくらいの物体がフラフラと向こうへ進んで行きます。
イルカでした。ビニール製のイルカだったのです。プールとかで遊ぶやつですね。多分、中には空気ではなく水素とかヘリウムとかが入っているのでしょう。それがいい感じに抜けて、ちょうど尻尾を少しだけ道に引きずる感じで、立ちながら風に吹かれて移動していたわけです。
こんな感じです。
いや、これほんとに不思議な光景でした。月明かりに照らされて、イルカが一匹、通りをフラフラ・・・。
家に持って帰って写真を撮ろうかとも思ったのですが、けっこうりっぱなイルカです。泥棒したかと思われるのもイヤだったので、イルカはそのままに、カメラを取りに家に走りました。しかし、戻って来た時にはもうそのイルカはいませんでした。5分は掛かっていなかったと思います。かなり探したのですがどこにも見当たりませんでした。
あのイルカは・・・何だったのでしょうか・・・。